
研究No.8
お手軽光化学


ある物質が光を吸収すると、そのエネルギーを使って化学反応を起こします。この化学反応のことを「光化学反応」といいます。光によって色素が変化する様子を見てみましょう。
| 難易度 | ハード |
| 実験期間 | 1 日 |
| 予算 | 3000 円 |
| キーワード | #光化学 #光触媒 #メチレンブルー #ロイコメチレンブルー |
※難易度は現象の理解と調べ学習のしやすさを表します。
※調べ学習にいきづまったら、キーワード欄を参考にしてみてください。
用意するもの
・懐中電灯(スマホのライト機能でも可)
・水槽用メチレンブルー
・クエン酸*
・シャーレ(またはメチレンブルーの青色が観察しやすいような色の皿型容器。金属はNG)
「*」が付いたものは100円ショップに売ってます
メチレンブルーが皮膚につくと、しばらく取れなくなります。気をつけましょう。酸性が強めな液体を扱うので、金属製の道具類の使用は避けてください。
1.

水、クエン酸、硫酸第一鉄を50 mL:20 g:1 gの割合で混ぜて溶かす。
2.

完全に溶けたら水槽用メチレンブルー水溶液を1mL入れる。
3.

溶液をシャーレに移し、懐中電灯の光を数秒当てて、離してみる。
この実験は調べてもなかなか出てこないと思います。(なぜならこの実験を考えたのが私なので…)
この実験のメカニズムは完全に解明されていないので、こうではないか?という私の仮説を紹介します。
この実験を一言で言うと「光エネルギーを使ったメチレンブルーの構造変化」です。

メチレンブルーは通常青色ですが、これが化学変化すると「ロイコメチレンブルー」という無色の化合物に変わります(具体的な化学変化の説明は、中学校理科の範疇を超えるので割愛)。
また、ロイコメチレンブルーが空気に触れるとメチレンブルーに戻ります。これにより化学変化を繰り返し起こすことでメチレンブルー⇄ロイコメチレンブルーが交互に現れるので、青色⇄無色となります(水槽用メチレンブルーの場合、他の色素によって見え方が違うことがあります)。
ただこの化学変化はメチレンブルーが勝手に起こせるものではありません。化学変化を起こしやすくするための「触媒」が必要です。その触媒として使うのが「硫酸第一鉄」を水に溶かした時にできるFe2+イオンです。
余談ですが、実は「硫酸第一鉄」という名称は昔の呼び名で、今は「硫酸鉄(Ⅱ)」と表記するのが普通です。しかしAmazonで売られているものを見てみると、硫酸第一鉄という表記が多いのです。なぜでしょうね?

ところで、水を温めて水蒸気にするときに火を使うと思うのですが、この水→水蒸気の変化のために熱エネルギーを水に与えていることになりますよね?世の中には物質の状態を変化させたり、化学変化を起こさせるために、外部からエネルギーを与えないといけないものが数多くあります。
この実験もメチレンブルー→ロイコメチレンブルーの化学変化の際、懐中電灯の光。つまり光エネルギーを使っているのです。光エネルギーを吸収したメチレンブルーは、同じ溶液中のFe2+イオンの助けを借りてロイコメチレンブルーとなります。
部屋や太陽の光でもこの反応は進行しますが、ロイコメチレンブルーがメチレンブルーに戻る変化も同時に起こっているので、変化していないように見えます。そこに懐中電灯の強い光が合わさることでメチレンブルー→ロイコメチレンブルーの変化が多くなるのです。
話は変わりますが、あなたの身の回りにあるもの、例えばペンや本、机や壁などは、いろんな色を持っていますよね。世の中にある物質は、その物質ごとに決まった色の光を吸収し、吸収されなかった色の光は反射され、私たちの目に届きます。例えば目の前に赤色の風船があったとして、その風船は光源からの光のうち赤色以外の光を多く吸収して、吸収されなかった赤色光は反射します。この光が目に入ると私たちの脳は『この風船は赤色である』と認識するのです。
この実験で使ったメチレンブルーも懐中電灯からの光を一部吸収して、吸収した光のエネルギーを使ってロイコメチレンブルーとなります。
では、何色の光が吸収されているのでしょうか?カラーセロハンを使って試してみてください。
実験後の水溶液は、大量の水で薄めて流しに捨てるか、キッチンペーパーに含ませて燃えるゴミとして処分してください。
硫酸第一鉄の粉末が余ったら、そのまま燃えるゴミでもいいですが、勿体無いと思ったら漬物作りに使うことができます。

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