HOME>実験紹介>理科室向け>EL003 ナイロン66カプセル
ナイロン66といえばみなさんご存知の紡糸実験ですが、実は同じ材料で半透膜性を持つカプセルを作ることができるんです。
実験後は実験室のルールに従って廃液処理しましょう。
ナイロン66といえば2種類の溶液の界面に生成された膜をピンセットで引き上げるという、おなじみの実験が有名ですが、この膜の持つ半透膜性を利用した実験があるのでご紹介します。
使用器具および試薬
使用器具
・100 mLビーカー×2
・シャーレ
・スポイト
使用試薬
・アジピン酸ジクロリド
・ヘキサメチレンジアミン
・ヘキサン
・炭酸水素ナトリウム
・飽和食塩水
実験準備
ヘキサメチレンジアミンは常温で固体ですが、融点が42℃なので試薬瓶ごとお湯で溶かしてピペットではかりとることができます。ここでは固体のまま使用する方法を紹介します。
実験方法
1.
ビーカーにヘキサンを30 ml入れ、これにアジピン酸ジクロリドを1.0 g溶かす。これを「溶液a」とする。溶液aをシャーレに、壁面上部から3〜5 mmの高さまで注ぐ
2.
別のビーカーに純水 30 mLを入れ、炭酸水素ナトリウム 0.5 g、ヘキサメチレンジアミン 1.0 g溶かす。これを『溶液b』とする。
※アジピン酸ジクロリドを中和するために炭酸水素ナトリウムを使っているので、炭酸ナトリウムなどでも代用できます。
3.
溶液bをスポイトにとり、シャーレに移した溶液aに滴下する(人工いくらを作る要領)
4.

シャーレ中の溶液aを排して、飽和食塩水を入れてみる。しばらく待つとカプセルが萎むのがわかる。
5.

飽和食塩水を排して純水を入れてみると、萎んでいたカプセルが膨らむ。
ポイント
できたカプセルに対して、実験方法4→5の順番に飽和食塩水と純水で観察することを推奨します。もし逆の手順でこれを行なった場合、赤血球が水で溶血するようにカプセルが破れてしまうからです。
参考
・関 隆広, 岡畑 恵雄, 海老原 真純, “ナイロンでカプセルをつくる : 界面重合法によるナイロンカプセル膜の調製(デモ実験虎の巻)” 化学教育, 34(6), 1986, p.492-493
・平山美樹, “高分子らしさを体感する実験” 化学と教育, 68(9), 2020, p.376-379
