細胞からDNAを取り出してみましょう。植物のDNAは細胞核、細胞膜、細胞壁の3つに覆われています。それらを物理的、化学的に壊してDNAを溶かしだしましょう。最後にエタノールを注げば白い物体が!
エタノールは非常に引火しやすい物質です。保護者の方と一緒に、火元がないか十分に確認してから扱いましょう。
生物化学の分野では、細胞からDNAを取り出す手段として「エタノール沈殿(通称:エタ沈)」が使われる時があります。学校の授業でやったことある人は多いのではないでしょうか?学校の授業ではよくブロッコリーは使われますが、鉢ですりつぶす手間があるので少し大変です。そこで別の方法をご紹介します。
使用器具および試薬
使用器具
・チャック付き保存袋
・コップ
・ボウル
・水切りネット
使用試薬
・手で潰しやすい果物
・食塩
・台所用洗剤
・無水エタノール
実験準備
芯や皮、ヘタなど果物に硬い部分があればあらかじめ切るなどして取り除いておきます。無水エタノールは冷蔵庫で冷やしておきます。
実験方法
1.

適当な容器に水 180 mL、食塩大さじ 1、台所用洗剤 20 mLを加えて混ぜ合わせ、冷蔵庫で保存する。
2.

果物をジッパーバッグに入れて口を止め、果物を手でよく潰す。
3.

はじめに作った液体をジッパーバッグに入れて、潰した果物とよくもみ合わせる。
4.

水切りネットを三重にしてボウルにセット。ジッパーバッグの中身を流し入れ、ろ過をする。ろ過した液体をコップに移す。
5.

冷蔵庫から無水エタノールを取り出し、ろ過した液体に静かに注ぐ。
6.

上部に白い物質(DNA)が出てきたら成功。
後片付け
実験後の液体はエタノールが含まれており、そのまま流しに捨てると下水で発火する恐れがあります。エタノールの部分だけ雑巾やいらない紙に染み込ませ、乾燥させてから燃えるゴミに捨てます。残りの部分は流しに捨て、しばらく水道から水を流します。
ろ過して残った果物は、水切りネットごと燃えるゴミとして処理します。
ポイント
植物細胞のDNAは、細胞壁と細胞膜、そして核に覆われています。DNA取り出すためには、これらを破って細胞の外に出してやる必要があります。

先ほどの実験手順では、まず果物をすりつぶすことで細胞壁を破壊。次に洗剤と混ぜることで、タンパク質でできた細胞膜と核膜を溶かし出しています。
DNAは細胞の外に出ましたが、それだけではまだ溶液に分散した状態なので、目には見えません。これを凝集してやる必要があります。
DNAには負に帯電したリン酸基という部分があるのですが、これによってDNA同士が磁石のように反発するので、この力を抑えるために食塩を添加します。食塩のNa+イオンがリン酸基どうしの反発力を弱めさせ、DNA同士が集まりやすくなります。
最後にエタノールを注ぐことで、DNAが溶けきれずエタノールと溶液の境界面に析出します。
