EH001 果物ミイラ

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古代エジプトではミイラづくりの際、遺体の乾燥を目的として「トロナ」と呼ばれる鉱物が使われました。果物を使ってトロナの性質をみてみましょう。

 トロナはセスキ炭酸ナトリウムとも呼ばれ、化学式でNaHCO3・Na2CO3・2H2Oと表されます。よく100円ショップの掃除用品コーナーで見かけますね。この結晶中に含まれる炭酸ナトリウムに吸湿性があるため、古代エジプトでは遺体から水分を抜いてミイラにしたり、家畜から干し肉を作って保存食としたようです。このセスキ炭酸ナトリウムを果物にふりかけ、果物の水分がどれほど失われるのか見てみましょう。

使用器具および試薬
実験準備

 果物を薄めに切って、複数の果物片を用意します。切り方は自由ですが、形がそろうように切ればより正確な結果が得られます。

実験方法




後片付け

実験に使った果物と炭酸ナトリウムはすべて袋にまとめて燃えるゴミとして処理します。
※腐っている可能性があるので、実験に使った果物は食べないでください。

皿に残った炭酸ナトリウムは軽く水に流して、通常どおり洗うことができます。

ポイント

セスキ炭酸ナトリウムはその組成(NaHCO3・Na2CO3・2H2O) から分かるとおり、結晶中に重曹と炭酸ナトリウムを含みます。では重曹のみ、炭酸ナトリウムのみを使用したとき果物の水分はどう変化するでしょうか?

炭酸ナトリウムは薬局やAmazonで売られていますが、予算がない場合はセスキ炭酸ナトリウムを加熱することで熱分解が起き、炭酸ナトリウムを得ることができます。

2(NaHCO2・Na2CO3・2H2O) ➞ 3Na2CO3 + CO2 + 3H2O

上記の反応式とセスキ炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムのモル質量からして、重量が加熱前の80%ほどになれば熱分解が完了したとみなしていいと思います。重曹も同様に熱分解で炭酸ナトリウムになります。

ちなみに、かつては採掘したトロナから不純物を取り除き、焼成して得た炭酸ナトリウムはガラスの原料などに使われたようです。

 実は筆者、中学生の自由研究の題材でサーモンの切り身を、炭酸ナトリウムを使ってミイラにしたことがあります。できたサーモンのミイラは完璧に干からびていたものの、ひどい匂いがしていたのを覚えています。夏休み明けの発表会でクラスメイトを引かせたことをよく覚えています。最近それを思い出し、牛ステーキ肉を使って実験をしてみました。

使用器具および試薬
実験準備

炭酸ナトリウムは無水物(結晶に水分子が含まれていないもの)を用意します。もし水和物しかない場合は、実験用の鍋(100均のアルミ鍋で良い)に入れて火にかけ、白っぽくサラサラした状態になるまで結晶中の水を飛ばします。

実験方法





ポイント

筆者が行ったときは、肉の重量は1週間でこのような変化がありました。肉の重量の減少量は炭酸ナトリウム>セスキ>重曹という順で、実験開始から1~2日目までの間で大きな変化があり、それ以降はほぼ横ばいでした。


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